お母さんとニコラさんたちがお話してる時にね、お父さんはバリアンさんとお話をしてたんだ。
「本当に、ブレードスワローをこんなに簡単に狩る事ができるんですね」
「ああ。ルディーンを見ていると、魔法と言うのは本当にすごいなぁといつも思わされるよ」
ブレードスワローって矢が飛んでくる音だけでも気がついて、すぐに飛んで逃げちゃうでしょ?
だからお母さんでも、ブレードスワローをやっつけるのはとっても大変なんだって。
それなのに僕は魔法で簡単に狩っちゃうもんだから、お父さんもすごいなぁって思ってたそうなんだよ。
「でも、それならなぜもっと狩らないんですか? これだけ簡単に狩れるのなら、かなり稼げると思うのですが」
「ああ、それは簡単な事だよ。ルディーンは、もっと高く売れる魔物を狩る事ができるからさ」
これを聞いたバリアンさんはびっくりしたお顔で、僕にホント? って聞いてきたんだよ。
「ルディーン君。君、そんなに強い魔物を狩る事ができるのかい?」
「へっ、何の事?」
でもね、僕、お母さんたちのお話を聞いてたからお父さんたちが何のお話をしてたのか聞いてなかったんだよね。
だからお父さんに何の事? って聞いたら、僕が前に狩ったもののお話をしてたんだよって。
「やっつけた魔物のお話?」
「ああ。前にクラウンコッコを何匹か狩って来ただろ? その話をしようとしていたんだ」
「クラウンコッコですか!?」
お父さんのお話を聞いてたら、横でバリアンさんがいきなりすっごい声を出すんだもん。
だから僕、びっくりしちゃったんだ。
それにね、びっくりしたのは僕長けじゃなくって、お姉ちゃんたちも一緒だったみたい。
「なになに?」
「お父さん、一体何のお話をしたのよ」
お父さんにどうしたの? って聞きに来たんだけど、それにこたえる前にバリアンさんが大騒ぎを始めちゃったんだ。
「クラウンコッコと言ったら一応Bランク指定にはなっていますけど、Aランクの冒険者でも油断をすると大きなケガを負うって言われている魔物じゃないですか!」
「えっと。驚く気持ちも解らないではないけど、ちょっと落ち着こうか」
だからちょっと落ち着いてってお父さんが言ったら、バリアンさんはしょぼんとしちゃったんだよ
「あっ! えっと、すみません。でも、本当なんですか? 前衛殺しとまで言われている魔物なんですよ?」
「体が大きくて長い間は飛べないくせに、森の中では枝と枝を縦横無尽に飛び回って攻撃してくる厄介な魔物だからなぁ。その上タフだから、シーラくらいかなり強力な弓使いじゃないと辛い相手ではある。でもルディーンの魔法は、そのクラウンコッコを一発で仕留めるらしいぞ。そうだよな、レーア」
「うん。ルディーンたら、一度に二個光の玉を出して、それを2匹のクラウンコッコの頭に当てて倒しちゃうんだもの。本当に簡単に倒してしまうから、楽しくった狩りすぎちゃったのよね」
グランリルの森でクラウンコッコを狩った時は、馬車で獲りに来てくれたお父さんに狩りすぎだって怒られちゃったんだよね。
でもその時の狩りがすっごく楽しかったからなのか、レーア姉ちゃんはニッコニコの笑顔で、もう一度あんな狩りがしたいなぁって。
「おいおい、あの時は村人総出で解体する事になったんだぞ」
「でも楽しかったんだもん。ルディーンも楽しかったわよね」
「うん!」
そう言いながら僕に、そう思うよね? って聞いてくるレーア姉ちゃん。、
だから僕も、おっきな声でうんってお返事したんだ。
「話を戻すが、ルディーンの魔法とクラウンコッコとは相性がいいんだ」
「相性ですか?」
お父さんはね、僕の魔法はクラウンコッコを狩るのにすっごく向いてるんだよって言うんだ。
「ああ。ボア系のようにタフで頭も固い頭蓋骨に守られている魔物は一人で狩る事はできないだろうが、クラウンコッコは頭を撃ち抜く事ができるだろ?」
「なるほど。気付かれる前に狙撃をすれば、確実に仕留められるんですね」
「それにもし体や羽根に当たったとしても、飛び回る事ができなくなるから脅威ではなくなるんだ」
僕の魔法って威力はあるんだけど、弱っちいジャイアントラットでも体に当たると貫通しちゃうから1発じゃ倒せないでしょ?
でもクラウンコッコ相手だと頭に当たれば一発でやっつけられるし、もし外れても体に当たれば飛び回る事ができなくなっちゃうもん。
ボア系と違ってクラウンコッコは地面を早く走れないから、そうなったら簡単に倒せちゃうんだよってお父さんは言うんだ。
「確かに、かなり相性のいい相手のようですね」
「だろ。そしてクラウンコッコは羽根の値段こそブレードスワローに劣るが、その他の素材を合わせればかなりの値段になるからな。わざわざブレードスワローなんか狙わなくてもいいと言う訳だ」
「今は需要が多くて値上がりしているから、そのクラスだと魔石だけでも今はギルドで1個金貨60枚以上で買い取ってくれるはずですよ。それを一度に2匹かぁ。確かにブレードスワローなんて狩る必要はないな」
そう言えば僕の持ってるクラウンコッコの魔石、ルルモアさんがすっごく高く売れるんだよって言ってたっけ。
でもね、僕、それを聞いてもよく解ってなかったんだよね。
「ねぇ、お父さん。クラウンコッコが高く売れたら、ブレードスワローを狩らなくってもいいの?」
「いや、ルディーンが狩ったブレードスワローを見て喜んでるだろ? だから狩らなくてもいいわけじゃないぞ」
だから狩らなくてもいいの? ってお父さんに聞いたんだけど、そしたら買った方が言われちゃったもんだから、僕よく解んなくって頭をこてんって倒したんだ。
そしたらそれを見たお父さんが笑いながら、お金じゃないんだよなぁって。
「クラウンコッコの方が高く売れるけど、イーノックカウまで運ぶことを考えればブレードスワローの方が簡単に稼げるよな」
「うん。持って来るの、大変だもんね」
「でも、ブラウンコッコを狩って稼ごうと思ったら、俺たちと別れてイーノックカウに住まないとダメなんだぞ」
「そんなの、やだ! 僕、お父さんやお母さんと一緒の方がいいもん」
お父さんのお話を聞いて、僕、すっごくびっくりしてそんなのヤダって言ったんだよ。
そしたらお父さんはにっこり笑いながら、
「ああ、俺もルディーンとは別れたくないな。だからそんな事をしてまでブレードスワローを狩らなくってもいいんだよ」
そう言って僕の頭をなでてくれたんだ。
読んで頂いてありがとうございます。
また私の悪い癖が出てしまいました。
本当は今回、まったく違うプロットを書いてあったんですよ。
でも書き始めた瞬間、そう言えばブレードスワローはとても高く売れるのになぜ狩りに行かないのかという説明をしていなかったなぁと思ってしまったんですよ。
一応所々でグランリルの村で狩れる魔物の方がブレードスワローよりも価値があるというような描写は入れていたのですが、説明自体は後書きでもしてなかったですよね。
なので説明会を入れないといけないのではないかという強迫観念がムクムクと。
結果、このような説明会になってしまった次第です。